#深夜の俺の戯言

昼間の戯言でも深夜テンション。

パスカルの三角形と多次元空間

今週のお題「大発見」

2020年に執筆した記事です。自分なりの大発見をドヤ顔で語った帰りにブログを書き、後から検索をかけると、類似記事を見つけたので公開には至りませんでしたが、折角なので公開します。

 

------------------------------------------------------------------------------

 

このご時世だが、先日初めて会社の後輩と飲みに行った。後輩と言っても年齢は一緒だ。

程よく酔いが回った頃、中学生の頃から夢想している、多次元論についての自分の発見を語っていた。

 

中学生の頃、Newtonを愛読していた私は、多次元だとか相対性理論だとか、超ひも理論にすこぶる興味があった。

とりわけ4次元「空間」(時空ではなく)というのは、どのような形をしているのか、来る日もクラスメイトや塾の友達と語り合っていた。

 

そこで私は、n次元空間を構成するために最低限必要な、n次元以下の構成物を数えることにした。

まず0次元。0次元空間を構成するためには、0次元物体、即ち点が最低1個なければならない。そこで以下のような表を立ち上げる。

次に1次元空間を構成するためには、1次元物体(=線)が最低1個、そして0次元物体が最低2個なければならない。これらは自明に、同時に成立する。このことを表に書き加えると以下のようになる。

そして2次元空間についても考える。2次元空間、すなわち面を構成するために最低限必要な点の数は3、線分の数は3、面の数は1である。表に書き加える。

最後に3次元空間。もっとも簡単な図形は四面体(三角錐)であり、それを構成する点の数は4、線分の数は6、面の数は4、立体の数は1である。

 

ここまでは簡単だ。そして問題はここからだ。

マトリックスの埋められそうなところを埋めていくことにしよう。

まず2行目、つまりある次元を構成するために最低限必要な点の数に注目する。どうやら、n次元を構成するためにはn+1個の点が必要らしい。ならば、4次元を構成するために最低限必要な点の数は5個だろう。

次に最終行、これも当たり前だが、2次元を構成するために(最低限)必要な2次元物体の数は1である(本当は最低限でもあり限界の数でもある)。3次元空間を考えるとき、3次元物体が1個ないと始まらない。同様に、4次元空間を構成するために最低限必要な4次元物体の数は1である。

 

では、n次元を最低限構成するために必要なn-1次元物体の個数について考えよう。

ここで表をぼーっと眺めていると、パスカルの三角形が隠れていることに気が付く。

パスカルの三角形。二項定理とかでお馴染み。

とすると、例えば下表のように、マトリックスを拡張できるのではないか。

 

つまり、4次元空間の最も簡単な図形は、5つの点、10本の線分、10枚の面、5つの立体(恐らく三角錐)からなるものと考えれる。

 

もっとも、上表ではパスカルの三角形の端にある、1が連続した階段を表現できていない。

恐らく空集合がそれに該当する。つまり、任意の次元において「何もない」状態も当然あるわけだ。

任意の次元において空集合の存在を考えることが可能であるから(その瞬間に他の項もパスカルの三角形によってユニークに算出される)、パスカルの三角形を無限に拡張できる、すなわち任意の次元にまでこのルールを拡張できると直感している。

 

すると、-1次元とでも呼ぶべきパスカルの三角形の頂上の「1」に疑問が湧くが、これこそ真空であろう。次元の概念すらない、全くの空集合だと思われる。

 

 

以下おまけの思考実験

 

3次元空間では、2次元図形の全体像を瞬時に把握できる。(我々が生きている世界を3次元空間だと仮定しています)

しかし2次元空間では、2次元図形を1次元的にしか捉えられない。

紙面上に棒人間と〇を描き、棒人間に目が合ったとすると、彼にはその〇は|のように見えているだろう。

実は我々も同様で、3次元物体を2次元投影した視覚情報が見えているに過ぎない。

つまり、机の上にりんごがあるとき、そのりんごの後ろ側や、机の裏側を一視点から観測することはできない。

 

では4次元空間で3次元物体を観測するとどうなるか?
そう、3次元物体の上下前後左右のすべてを同時に観測できるはずだ。

 

三角錐の展開図を描くと、ゼルダの伝説トライフォースのような形状になる。

では上表で論じたような4次元物体の展開図はどのようになるかと言えば、恐らく三角錐の四面それぞれに三角錐がくっついたような形状をしているのだろう。

我々の知覚ではここまでが限界だ。

展開図で角のように尖った三角錐の4点を「4次元的に」閉じて一つの点にまとめると、5つの点からなる4次元物体が構想できる。

 

2次元人は、三角錐の展開図を描くことはできても、三角錐を知覚できない。

三角錐を2次元空間に持っていけば(三角錐の任意2次元断面を考えると)、必ず三角形になってしまう。

同様に、4次元物体を3次元空間に持ってくると(任意の3次元断面を考えると)、必ず三角錐になるはずなのだ。

 

そのような「展開図」の裏も表もすべて視える状態で、4次元空間を閉じることができる。

(たぶんcosα=1/4となるようなα(約75.5°)だけ、4次元方向に上手いこと回転させると4頂点がくっつく)

4次元物体の展開図。四面体の周辺に四面体が接着している。